ドローン画像によるひび割れ評価の概要
戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)のインフラ維持管理・更新・マネジメント技術として採択された、大成建設(株)の「コンクリートのひび割れ画像解析技術」を、離島架橋の橋梁点検業務等で有効活用することを目的として、琉球大学SIP地域実装支援チームと連携し、弊社ではドローン空撮による高品質で繊細な画像撮影技術の提供と、詳細な画像解析評価を実施してきました。そして沖縄県内での実証実験での画像解析により得られたひび割れ図では、実際の点検図にあるひび割れを精度良く検出することが確認されました。(協力:沖縄県管理者(中部土木事務所・北部土木事務所・宮古土木事務所)、構造物調査事業者((株)中央建設コンサルタント・(株)芝岩エンジニアリング)
尚、大成建設(株)の画像解析ひび割れ定量評価技術は、2020年07月に国交省の点検支援性能カタログに掲載されました。
ドローン点検実証実験内容
ドローン点検実証実験対象橋梁は、沖縄県内の離島架橋である沖縄本島中部のA大橋、沖縄本島北部のB大橋、及び宮古地区のC大橋について管理者の御協力を頂き、2017年7月~11月にドローン搭載カメラによって撮影を実施し、その後詳細な画像解析評価を行いました。
- A大橋下部工撮影
- A大橋上部工撮影
- B大橋撮影
- C大橋撮影
ドローン点検実証実験結果
ドローンによる高品質な写真によるひび割れ画像解析により得られたひび割れ図は、点検図にあるひび割れを精度良く検出できたことが確認されました。又ひび割れ幅毎のひび割れ長さデータも得られるため、定期的な点検によってひび割れを定量的に評価することが可能であると考えます。
- 点検図及びドローン撮影画像
- ひび割れ図
- ひび割れ幅毎のひび割れ長さ分布
- ひび割れ画像解析拡大図
損傷3Dモデルの作成
国土交通省が推進する”3次元モデルを利用した橋梁の維持管理”では、「点検結果の視覚化」として点検結果に3Dモデルを用いることにより、ひび割れの位置や連続性・橋梁全体の損傷が簡単に把握できるとされています。弊社ではBIM/CIMモデリング技術とひび割れ画像解析技術を融合し、損傷3Dモデルの作成も実施しています。
- 3次元モデルを利用した橋梁の維持管理:国土交通省国土技術政策総合研究所より
- 損傷3Dモデル
- 損傷3Dモデル
構造物の点検対象面への平行投影写真の活用
弊社では独自の写真合成技術によって、構造物の点検対象面に平行投影する鮮明な合成写真を作成することによって、画像解析ひび割れ定量評価の効率化と正確化を図っています。
- 橋脚の点検対象面への平行投影合成写真
コンクリートひび割れ画像解析技術「t.WAVEⓇ」にAI自動検出機能を追加【大成建設】
点検支援新技術の活用環境の整備(国土交通省)
国土交通省では定期点検業務の中で、受発注者間で使用する新技術を確認し業務で活用できるものとし、受注者が業務計画書を作成する際や 受発注者間で協議・承諾する際の参考となる「新技術利用のガイドライン」・「新技術の性能カタログ」を作成することとなっています。大成建設(株)の「画像解析を用いたコンクリート構造物のひび割れ定量評価技術」は2020年7月に国交省性能カタログの画像計測技術として掲載されました。【↓クリック】