UAV搭載型レーザースキャナ YellowScan VX-20による3D測量
(株)オカベメンテでは2019年8月より、3D地形測量の更なる効率化・高精度化を目指して、UAV搭載型レーザースキャナ YellowScan VX-20を導入し、植生地域の3D地形もリアルに再現するUAVレーザー測量業務を開始しました。【UAV:無人航空機】
・優れた精度(最大1cm)と点群の正確性(最高2.5cm)によるデータ取得
・世界最高水準の5パルス/1レーザー、100,000点/秒での高品質計測
・総重量3.0kgと超軽量(UAV:DJI Matrice 600 Pro もしくは UAVヘリコプター:SKY-Heliに搭載)
UAVレーザー測量の仕組み
UAVレーザー測量は 1秒あたり約10万点の大量のレーザーを照射し、対象物からの反射情報を記録することでデータを取得します。植生のある地域上空からレーザーを照射した場合、一部のレーザーは樹木間をすり抜け地表面まで到達し 地表データを取得する事が可能で、反射情報(パルス)は1回目、2回目、3回目・・と続けて記録することが出来るため、パルス数が多いほど地表データを取得できる可能性は大きくなります。
- UAVレーザー測量の仕組み
- 全体点群データ(樹木含む)
- 地表面点群データ(樹木除去)
低木植生地域における実証実験
低木植生地域(樹木密集地)においてUAVレーザー測量とUAV(ドローン)空撮測量及び横断測量を実施し、横断面図を比較したところUAVレーザーと横断測量でほぼ同じ断面データが得られ、UAVレーザー測量での低木植生地域の3D地表面の再現が確認されました。
- 低木植生地域ドローン写真
- 低木植生地域横断比較図
中木植生地域における実証実験
上記と同様に中木植生地域(樹木密集地)においても、UAVレーザー測量とUAV(ドローン)空撮測量及び横断測量を実施したところ、UAVレーザーと横断測量でほぼ同じ断面データが得られ、UAVレーザー測量での中木植生地域の3D地表面の再現が確認されました。
- 中木植生地域ドローン写真
- 中木植生地域横断比較図
高木植生地域でのUAVレーザー地形測量
樹高25m程度の密集した人工林地域(高木植生地域)において、UAVレーザー地形測量による3D地表面の再現有効性を確認しました。
- 全体点群データ
- 点群データでの樹高確認
高木植生地域でのUAVレーザーが取得する『植生下地表面』の点群データは、2パルス目以降で多いことが判明し、YellowScan VX-20における5パルス/1レーザーの最高クラス高品質計測の有効性が確認されました。
- 全体取得点群
- 1パルス目取得点群
- 2パルス目取得点群
- 3パルス目取得点群
- 4パルス目取得点群
- 5パルス目取得点群
点群処理ソフトLidar360を用いて、任意の中心線に沿った地表面の縦横断図の自動作図や、任意のメッシュ間隔による土地抽出をすることが簡単にできます。
- 断面位置と横断面図
- 1mメッシュでの土地抽出
パルス毎の横断面図の比較では、1パルス目は主に樹木点群を取得し、2パルス目以降に地表面点群を取得することが明確になりました。
- 1パルス目取得点群による横断面図
- 2パルス目取得点群による横断面図
樹木密集地におけるUAV空撮測量とUAVレーザー測量の横断面図比較では、UAV空撮測量がDSM(樹木を含んだ地表モデル)のみを取得し、UAVレーザー測量ではDSMとDTM(樹木を取り除いた地表モデル)の双方を取得することが確認されました。
- UAV空撮測量横断面図
- UAVレーザー測量横断面図
道路改良現場でのUAVレーザー測量
道路改良工事の現場においてUAVレーザー地形測量を実施した結果、構造物等も精度良く計測することを確認しました。
- 計測(点群取得)状況
- 計測(点群取得)状況
- 全体点群データ
- 地表面(樹木除去後)点群データ
- ボックスカルバート内部点群データを合成
- 道路改良工事現場
YellowScan VX-20の特徴(カタログより)
CIM導入ガイドラインで記載されているUAV測量の特徴比較
CIM導入ガイドライン(案)第1編共通編(令和2年3月・国土交通省)で記載されている「地形モデル計測手法の特徴」において。UAV写真(ドローン空撮)測量ではDSM(樹木を含んだ地表モデル)のみでDTM(樹木を取り除いた地表モデル)は取得できないが、UAVレーザ測量ではDSMとDTMの双方モデルの取得が可能とされています。
- 出典:CIM導入ガイドライン(案)第1編共通編(令和2年3月・国土交通省)
UAV搭載型レーザスキャナを用いた公共測量
国土地理院が作成したUAV空中写真による「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」(2017年3月31日改正)では、”UAV を用いた公共測量は、土工現場における裸地のような対象物の認識が可能な地区に適用することを標準とする。”となっており、植生地域での測量は対象としていません。これに対して2018年3月30日に公表された「UAV搭載型レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル(案)」は、UAV撮影した空中写真には写らない【植生下の地表面の位置の把握】などに対応しています。
UAVレーザー測量による3D計測の効率化・高精度化
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